インド洋のニュー・グレート・ゲーム − グワダル陥落、中国「真珠の首飾り」戦略に警戒強めるインド
2013-02-18


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パキスタン グワダル港の管轄権を中国企業に移譲
2013-01-31 20:55:26
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 パキスタン政府はこのほど、グワダル港の管轄権を中国企業に移譲することを決定しました。これに対し中国外務省の洪磊報道官は31日の定例記者会見で、「中国の企業は、長年にわたりパキスタンの各分野における協力プロジェクトに積極的に参加している」と述べ、「中国とパキスタンは友好的な隣国である。両国の友好関係とパキスタンの発展に有利になる事項を中国は積極的に支持する」と述べました。

 パキスタンとイランの境界に位置するグワダル港は、石油の重要な搬出路として知られるホルムズ海峡から約400キロ離れた場所にあり、戦略的に重要な価値があるとされています。(劉叡、丹羽)


要衝の港湾管理権、中国企業へ=周辺国危惧−パキスタン南西部
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 【ニューデリー時事】パキスタン政府は1月30日、アラビア海に面する南西部の戦略的要衝グワダルの港湾管理権をシンガポール企業から中国企業に移転することを閣議決定した。建設当時から多額の投資を行った中国は管理権獲得により、友好国パキスタンへの影響力拡大を狙う。一方、インドなど周辺国は中国による将来の軍港化を危惧、安全保障上の新たな脅威と捉えている。

 同港はペルシャ湾岸諸国からの原油輸出の要であるホルムズ海峡に近い。港は2007年、2億4800万ドル(約230億円)とされる初期建設費のうち中国が4分の3を支援して開港、シンガポールの港湾管理企業PSAが40年間の運営契約を結んだ。

 しかし、PSAは最近、パキスタンが当初約束した施設拡大のための土地提供を拒否したことで撤退を決めたもようだ。ガウリ港湾・海運相は2012年8月、PSAと中国企業との間で管理権移転交渉が始まったと議会で語っていた。(2013/02/02-15:54)


パキスタン要衝港の運営権が中国企業に移転 インド政府が「懸念」表明
2013.2.7 20:52
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 【ニューデリー=岩田智雄】パキスタン南西部のグワダル港の運営権を中国国有企業が握ることになり、インドのアントニー国防相は6日、「わが国にとって懸念事項だ」と反発した。中国はインド洋周辺国で港湾建設を支援しており、インドは国防上の観点から警戒を強めてきた。中国側がグワダル港の運営権を手に入れたことは、東シナ海、南シナ海だけでなく、インド洋でも中国のプレゼンスを強化しようとする動きとして関心を集めそうだ。

 グワダル港は建設費の大半を中国が支援し、2007年に開港。シンガポールの港湾会社が運営権を取得したが、不安定な治安や資金不足でその後の開発が進まなかったとされる。同港湾会社は運営権移転について中国企業と交渉。パキスタン側は交渉妥結を受けて1月下旬、中国企業への運営権移転を閣議決定した。

 グワダル港は、世界の石油タンカーが出入りするホルムズ海峡に近い戦略的要衝でもある。中国にとってグワダル港が重要なのは、まず、エネルギー安全保障上の理由による。米国の影響力が強く、有事の際、封鎖されかねないマラッカ海峡を通過しなくても、中東などの原油をグワダル港から中国新疆ウイグル自治区までパイプラインを通じて輸送できるようになる。

 中国は近年、スリランカやミャンマーなどインド洋周辺国の港湾建設・整備を積極支援してきた。米欧はこれを「真珠の首飾り」戦略と呼び、軍事上の観点からも注視している。一部港湾は軍艦艇の燃料補給や修理も可能とされ、空母を備えた外洋型海軍を目指す中国の軍事拠点になるのでは−との懸念もあるためだ。


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