英米系シンクタンク記事集:北朝鮮の軍事的挑発と核拡散への警告相次ぐ
2011-12-20




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▼米専門家 軍事的挑発に警戒を
12月19日 21時33分
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アメリカのシンクタンク「戦略国際問題研究所」のマイケル・グリーン氏は、NHKの電話取材に対し、「最悪のシナリオは後継者のキム・ジョンウン氏が権力を誇示する圧力にさらされた結果、軍事的な挑発行動に出る場合だ」として、日米韓の3か国が北朝鮮を刺激しすぎないよう細心の注意を払いつつ、核実験やミサイル発射といった挑発行動に備え、連携を強化することが重要だとの認識を示しました。

そのうえで、「北朝鮮の体制の崩壊やジョンウン氏の暗殺、内戦などによって大勢の難民が国外に流出し混乱に乗じて核物質や化学兵器が誤った人物の手に渡る可能性も排除できない」として、キム総書記の死去が、今後、北東アジア地域全体の不安定化を招くおそれもあると指摘しました。

グリーン氏はまた「キム総書記の死去に伴って国全体が喪に服すため、外交的な活動が休止する可能性もある」との認識を示し、対話の窓口が閉ざされた場合は偵察衛星などを通じた軍の施設の観測以外に北朝鮮国内の事態の把握が、より難しくなるとの懸念を示しました。


▼金正日・北朝鮮総書記死去:核問題、行方混とん 米、軍事挑発を警戒 拡散防止最優先
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 ◇日韓と連携

 北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の死去により、体制維持と国威発揚の役割を果たしてきた核開発問題の行方が不透明さを増している。22日にも北朝鮮との核協議を予定していた米国は日韓などへの軍事的挑発や核拡散の危険増大を警戒しつつ、後継体制の出方を注意深く見守る考えだ。6カ国協議の参加国は、北朝鮮の不安定化を望んでいない点は共通しているが、核の安全管理が最優先の米国に対し、中国は北朝鮮への影響力保持を模索しているとみられる。「金王朝」の権力継承を機に関係国間のさやあても表面化しそうだ。【坂口裕彦、ワシントン白戸圭一、北京・成沢健一、ソウル西脇真一、ウィーン樋口直樹】

 米国は金総書記から金正恩(キムジョンウン)氏への権力継承が順調に進まずに北朝鮮が不安定化し、核・ミサイルの管理体制が揺らいで大量破壊兵器が拡散する事態を懸念している。権力基盤の弱い正恩氏が軍部の支持を取りつけるため軍事的挑発に傾斜し、韓国との南北関係や米朝関係が緊迫する可能性もある。オバマ政権は権力継承の行方に神経をとがらせ、日本、韓国など同盟国と連携しながら軍事面でも警戒を強める構えだ。

 「正恩氏が北朝鮮指導部の高官たちに『勇気』のあるところを見せようとして、挑発行為に走る可能性がある」。米中央情報局(CIA)の元朝鮮半島担当で米シンクタンク・ヘリテージ財団上級研究員のブルース・クリングナー氏が指摘する。韓国外交安保研究院の尹徳敏(ユンドクミン)教授も「自分の力を誇示する必要に迫られた場合、核実験や弾道ミサイル発射などを行うこともあり得る」と分析、北朝鮮が後継体制下でただちに核開発を放棄することはないとみている。

 金総書記にとって核開発は、国内向けには、軍部強化を優先する「先軍政治」を主導し、権力基盤を維持する装置だった。一方、対外的には6カ国協議や米朝協議で「瀬戸際外交」を展開して譲歩を引き出す材料でもあった。過去2回の核実験はプルトニウム型だったとみられるが、昨年11月には北朝鮮北西部・寧辺(ニョンビョン)のウラン濃縮施設の存在を米専門家に明かし、新たな外交カードとした。

 北朝鮮当局者が米専門家らに話したところによると、施設には約2000台の遠心分離機が設置されている。米シンクタンク「科学・国際安全保障研究所(ISIS)」によると、北朝鮮側の主張通りなら、原爆1個分の原料になり得る約1トンの低濃縮ウランを約4カ月で製造できる能力を持つという。

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[北朝鮮]

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