グローバリスト vs 今西錦司「棲み分け理論」(Blondyさんより)
2009-08-16


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1.棲み分け理論と戦争について

人類は、類人猿の中で最後発の新人という、きわめて頭脳が発達し兇暴な性質をもったタイプの類人猿の子孫であり、各種の大型哺乳類やネアンデール人の絶滅に関してもとかく噂のある存在ですので、残念ながら、過去の歴史に照らしてみても、同族グループ間でほっておいて上手にいつも棲み分けできるタイプとは思えません。

ある時間的断面で見れば、自然な棲み分けによる共生システムが成立しているように見える世界でも、どこかの地域で気候変動等による飢饉がおきたり、人口圧力が高まったりすれば、ゴートやハン、バイキング、モンゴル等のバーバリアンが欧州を荒らしたような戦争・略奪・民族移動が起きるのは自然なことのように思います。

手近なところでは、1930年代までの中国江南地方の農村部では、飢餓に陥った村が近在の村を襲うと、次には略奪された村が生き延びるために新たに別の村を襲うという悪循環が日常的に起きていたことが知られています。

日本の戦国時代でも、武士だけでなく、雑兵として戦闘に臨時参加する貧しい農家の次男、三男にとっても、戦争は給金や報償金の他に、乱捕りで金銀や農作物や奴隷を生け捕りにして稼ぐ貴重な機会でした。

戦争は、不況対策・雇用対策、内政圧力のすり替え、アドベンチャー、投機といろいろな性格を帯びているし、基本的に外交の延長線上に位置づけられるものでしょう。

戦争を減らすには、極端に貧困化した地域をなくし、食糧援助や開発援助を行ってとにかく食えるようにすることが大切で、この支援面ではずいぶん進歩してきましたが、一方で軍産複合体をコントロールすることや国連機構の改革や強制力強化などはほとんどできていないので世界中で戦火が絶える気配は現在までのところまったくありません。

20世紀は極端な戦争の世紀であり、それが21世紀になって大きな戦争もなしに突然平和の世紀に転換することはなく、資源枯渇の顕在化や世界同時バブル崩壊を迎えている現在それはなおさらあり得ないでしょう。

2.「多文化共生」と棲み分けシステムについて

<植民地時代>
世界中から各種の動植物や人種を選んで各支配地域に移植し、プランテーションや鉱山を開発・経営し、植民地では複数の民族の利害対立を調整する超然とした地位を保って君臨し、直接支配で搾取するのが7つの海を支配した大英帝国の植民地経営でした。

この時代に、グローバル規模で、アメリカや現在のコモン・ウエルス諸国を中心に大規模な、移民まぜまぜ、植物まぜまぜがおきた。

<新興国開発援助時代>
第二次大戦後、民族自決意識の高まりと英覇権の衰退から植民地に旗を立てて管理する方法は廃され、コロニーは独立して国民国家となり、冷戦構造も背景として、新覇権の米国主導で開発援助政策が採用され、新興国家・開発途上国の多くは自由市場資本主義体制に組み込まれていき、その開発利潤は金融資本による株式支配の形で先進国に移転するスタイルに切り替わりました。

この時代は、有色人種に対する差別意識や同人種内結婚の習慣も残っていたため、異人種間の混血すなわち人種まぜまぜは比較的ゆっくり進みました。

<本格的なグローバル体制の時代>
冷戦終結以降、自由市場資本主義体制は旧社会・共産圏を取り込んでグローバル自由市場資本主義体制として一体化し、世界的に物や資本、人の移動や情報の交換が大幅に自由となった。また発展途上国の多くが相当に経済力をつけて、先進国の仲間入りを果たす国々が出るだけでなく、BIRCsの台頭が多くの人々に予見されるようになった。

この本格的な自由主義型のグローバル時代の到来により、移民まぜまぜだけでなく、人種まぜまぜも加速しつつあるのが現在の人類社会の姿ではないでしょうか。


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