AIGとプルーデンシャルとケナックと松田竹千代
2008-10-05


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アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が売却を決めたアリコジャパン、AIGエジソン生命保険、AIGスター生命保険の入札は今後2週間以内に行われるようです。

注目を集めているのが米アリコ(ALICO:American Life Insurance Company)。世界の55以上の国・地域で生命保険事業を展開しています。その支店にあたるアリコジャパンの08年3月期の保険料収入は約1兆4600億円、アリコグループ全体の保険料収入の7割を占めている。

現在、売却の仲介を狙ってゴールドマン・サックスなどが国内外の保険会社に働きかけているようです。

関心を示している企業として、日本勢では東京海上ホールディングスと日本生命保険、海外から米メットライフ、英HSBC、英アビバ、英プルーデンシャル、仏アクサ、独アリアンツ、蘭エイゴン、蘭ING、中国の中国人寿保険や中国平安保険、それにカナダのマニュライフなどの名前があがっています。

やはり東京海上ホールディングスと日本生命保険が本命、すでに資産や財務内容の調査に入っているとの情報があります。

昨日の記事でAIGが上海創業、しかも、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の元最高経営責任者(CEO)だったモーリス・ハンク・グリーンバーグも米中関係全米委員会 (National Committee on US-China Relations,NCUSCR)の副会長だったことから、中国企業(中国人寿保険や中国平安保険)が買収する可能性もあると書きました。

実はグリーンバーグ以外にもAIGの歴代取締役には中国寄りの有名人が多いのです。
その代表的な人物は、カーラ・A・ヒルズ(住宅都市開発長官や通商代表部USTR代表を歴任)とウイリアム・S・コーエン(クリントン政権の国防長官)など。

しかも、ヒルズは米外交問題評議会(CFR)の共同会長で米中関係全米委員会の会長も務めています。

コーエンもCFRのメンバーで、自身が創業したコンサルティング会社「コーエン・グループ」は現在中国ビジネスに熱中しております。

中国企業が買収したいと思えば、グリーンバーグ家やヒルズやコーエンに接触するのではないかと見ています。

これ以外に気になるのは英保険大手のプルーデンシャルの存在。

ドナルド・P・ケナック(Donald P. Kanak)という人物が関わっているからです。

ケナックは日本・韓国事業の統括責任者として、破綻した旧千代田生命保険(現AIGスター生命保険)や旧GEエジソン生命保険(現AIGエジソン生命保険)の買収などを手掛け、日本大手生保に迫るほど日本事業を拡大します。

その功績が評価され、グリーンバーグが後継候補の一人に指名していました。

ところがグリーンバーグは不正会計疑惑浮上により更迭。混乱の中、後継トップに任命されたのは、ケナックではなくマーティン・J・サリバンでした。

ケナックはエグゼクティブ・バイスチェアマン兼COO(最高執行責任者)に選任されますが、2006年1月に辞任。

その後、ハーバード法律大学院の国際金融システム部主任研究員として、香港を拠点にアジアの気候変動や持続可能な代替エネルギー、排出権市場などに関する調査に従事していました。

そして2008年4月、ケナックはプルーデンシャル・コーポレーション・アジア会長(非常勤)に就任。英国プルーデンシャルグループのアジア事業を担うことになります。

ケナックも外交問題評議会(CFR)、それに米国の世界自然保護基金(WWF)の評議会、WWF香港、WWF中国の顧問、アジア協会、日米協会、金融サービス専門家協会などのメンバーを務め、米中ビジネス評議会(the US-China Business Council,USCBC)、日米経済協議会(the U.S.-Japan Business Council, USJBC)の理事、米韓経済協議会(the U.S.-Korea Business Council)の執行委員会メンバー、在日米国商工会議所(the American Chamber of Commerce in Japan,ACCJ)の会頭などを歴任してきました。


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