なぜ日本は北極を目指す必要があるのか
2008-08-28


禺画像]


「おい、北極の件、少し大袈裟じゃない?」

最近このような助言が友人から続出しております(汗)

確かに日本ではほとんど話題にされることがないので、キョトンとされている方も多いのではないかと。

トンデモ君だと思われたくないので説明しておきますが(笑)、北極圏冷戦“Arctic Cold War”は随分前から海外メディアに登場しております。有名海外メディアの記事を下に紹介しておきますね。

この私でさえもひっくり返りそうになったのが、ブレジンスキーの「チェスゲーム」を応用した「北極圏チェスゲーム(Arctic chess game)」というもの。しかも、これを使ったのが自然科学系雑誌で知られる「ネイチャー(The Nature)」(今月8月13日付ブログ)なのです。

記事にも書いたように、私自身は「北極には900億バレルの石油と1670兆立方フィートの天然ガスがあるんだぜ」とする米国地質調査所(United States Geological Survey,USGS)の推計をかなり怪しいと思っているのですが、それでも北極海の二つの航路は日本にとって極めて重要になってくると思います。

みなさんが一見してわかるような地図はないものかと探してみると、米ニューヨーク・タイムズ紙のサイトにありました。

しかも日本のために作ってくれたような内容です。クリック拡大して左右の小さな地図を見れば、東京・ロンドン間の距離が記されていることがわかるはずです。

さて、航路の話題を離れて、私がなぜ「アラスカを目指せ」と書いたかを説明しますね。

北極を中心にした地図は日本からすると非常にわかりにくいので、私が学生時代に大好きだったバックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller)に説明のお手伝いをしてもらうことにしました。

フラーのダイマクション・マップ(Dymaxion map)を地政学に応用するという日本初(世界初?)の試みかも(笑)。

ダイマクション・マップに日本、それに今日本が最も石油を依存しているサウジアラビア(Kingdom of Saudi Arabia)と北極圏で最も資源が眠っているとされるアークティック・アラスカ鉱区(Arctic Alaska province)の位置関係を示しておきました。

繰り返しになりますが、日本の2007年の原油総輸入量は15億216万バレル。そのうちの86.7%が中東地域から。その中で最も多いのがサウジ(27.9%)、次いでサウジのお隣のアラブ首長国連邦(United Arab Emirates,24.5%)、そして、イラン(Islamic Republic of Iran,12.1%)となっています。

遅かれ早かれ米国がイラクに続いて民主化を強要するのがイランとサウジ。その時、日本はどうすればいいのかを今から考えておく必要があります。この点に関する日本政府の認識は少し甘いのではないでしょうか。

今回のグルジア紛争の背景にはエネルギー資源を巡る熾烈な覇権争いがあります。残念ながら「ホッキョクグマを守ろう!」などと叫ぶような状況ではないのです。

とはいえ、素の私が期待していることもあるんですよ。

それは、地球が再び北極も南極も厚い氷で閉ざすこと。地球温暖化を唱える偉い人たちをあざ笑うかのようにガチガチに凍らせて欲しい。今こそ「地球の凄み」を見せつけて欲しい。

それでもすでにトランス・アラスカ・パイプライン(Trans-Alaska Pipeline System)が存在するぐらいですから、アラスカ開発は可能。だからそこ、日本もアラスカを目指すべきではないかと思っています。

もうすでに北極圏野生生物保護区(Arctic National Wildlife Refuge,ANWR)解禁を睨んで、随分前からノーススロープ(North Slope)あたりに居座っている方々がたくさんいるようですけどね。

BPのピーター・サザランド(Peter Sutherland)などはよくご存知のはずです。


<参考記事>
As Polar Ice Turns to Water, Dreams of Treasure Abound
[URL]

「地球の凄み」

続きを読む

[EU]
[地球温暖化問題]
[JAPAN]
[石油]
[「素」]
[US]
[中国]
[天然ガス]

コメント(全1件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット