「経済成長に陰りが見えてきた時、中国乱れる時」――2012年から始まる想定外ラッシュに備えよう
2011-12-27


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ウィリアム・J・ペリーの「核なき世界を求めて」にはこう書かれている。

『経済成長が止まった時こそ、中国国内の「拡張主義者」が勢いづくから危険なのです。そうした国内問題に中国政府がいかに対処するのか。その方法が私には見当たりません。だからこそ、危険なのです。おそらく、指導層はそうした国内問題から国民の注意をそらせる方策を見つけ出そうとするかもしれません。その時、誰が指導層にあり、どれぐらい攻撃的かにもよりますが、いずれにせよ、そうした展開を我々はとても注意して見守っていく必要があります。』


「経済成長に陰りが見えてきた時、中国乱れる時」――ペリーに限らず中国事情に精通した者なら誰もが口を揃えること。そして今、中国の経済成長に陰りが露骨に見えてきた。

全世界が注視しているのは中国の不動産バブル崩壊。もうすでにそれは進行中と見られている。しかし、まだまだ序の口。現在は小崩壊程度。しかも中国政府が見事にコントロールするバブル崩壊。

しかし、この先には制御不能の大崩壊も有り得る。その時、中国のあらゆるバブルが連鎖崩壊する可能性も。しかも、欧州債務危機が追い討ち。中国最大の輸出先である欧州の混乱が中国の輸出産業を直撃中。

広東「烏坎の反乱」は中国乱れる兆候ではないのか。ワシントン・ポストは社説でズバリとそう指摘している。

「欧州コケて、中国コケたら、皆コケた」が起こり得るのが2012年以後。日本経済及び日本国債に想定外が起こるとすれば、中国を震源とする大津波が到達した時だろう。

想定外を想定しなくてもいいのか。東京電力福島第1原発事故に続いて、中国発の大津波も想定外だったと弁明するつもりなのか。

海外メディアの論調に目を凝らしながら、最悪シナリオまで考えると、それはすでに想定内。想定外なる言い訳などもはや通用しない。そのことをすべての政治家は肝に銘じておくべきだ。

2012年は始まりに過ぎない。中国にその時が来たら、国内問題から国民の注意を逸らすために何をする。外に敵を作り出すことによって強い絆を保とうとするだろう。歴史を振り返れば、それもまた想定内。


<関連記事>

▼クルーグマン「世界経済の中で中国はもう一つの危険スポットとして浮上しつつある」

Op-Ed Columnist
Will China Break?By PAUL KRUGMAN
Published: December 18, 2011
[URL]


翻訳サイト:クルーグマン「中国のバブルははじけるか?」(NYT,2011年12月18日)
[URL]


▼フォーリン・アフェアーズ「中国の不動産バブル、今まさに破裂中」

中国――不動産バブルの崩壊か
China's Real Estate Bubble May have Just Popped
パトリック・チョバネク 清華大学・経済・マネジメントスクール准教授(MBAプログラム担当)
フォーリン・アフェアーズ リポート 2011年12月
[URL]


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