中露揃って「虎穴に入らずんば虎子を得ず」、TPPの中に入ってブロック崩し?
2011-11-15


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米国主導で描く環太平洋経済連携協定(TPP)からアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋。

それは明らかに対中国包囲網。蘇るはあの時のABCD包囲網。

対中国版ABCD包囲網にどう対抗するのか。

なんと中国政府高官からTPP交渉参加を仄めかす発言連発。その戦略はまるで「虎穴に入らずんば虎子を得ず」のよう。

圧巻は中国外務省の高官Pang Sen氏。オバマ米大統領がAPEC関連行事で通商政策に関して「ルールに従った行動」と発言し、中国に市場開放を強く迫ったことに対して、「中国が交渉に関与した国際協定であれば順守する」と切り返し、ついでにTPP交渉参加を「真剣に検討する」との方針を表明。

それはまるで「TPP交渉に入れてくんなきゃ、ルールなんて守んないよーだ」の脅しにも見える。

米国主導で公平・公正・自由競争に基づく共通ルールという中国向け踏み絵が完成する前にTPPに乱入しようというのか。

中国に見合ったルールへの修正を迫りながら、中国経済の改革を促すという思惑があればお見事。

さらにはTPPをベースに米中G2体制構築を狙っているとの見方も浮上する。

中国動けばロシアも動く。英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)によれば、ロシアのメドベージェフ大統領は、何を成し遂げるかが明確ではないとしながらも、TPPを興味深いプロジェクトであると認めたという。

さらにボイス・オブ・ロシアによれば、メドベージェフ大統領は知的財産権の問題についても検討すると述べたとのこと。知的財産権の保護強化はTPPの柱に浮上する中での発言に注目したい。

予想通りロシアが「わしらもアジア太平洋国家だべ」と言い出し、TPP交渉参加を「真剣に検討する」との方針を表明する日は近いと見る。


<関連記事引用>

▼中国が交渉に関与した国際協定であれば順守する=政府高官
2011年 11月 14日 18:01 JST
[URL]

[ホノルル 14日 ロイター] 中国政府高官は13日、中国は、合意に向けた交渉に中国が関与した国際協定であれば順守するとの立場を示した。
 オバマ米大統領が13日これより先、中国は経済問題で国際社会のルールを順守する必要があるとの見解を示したことへの反論とみられる。

 中国外務省の高官Pang Sen氏は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議後の記者会見で「まず、どの規則についてかを確認する必要がある。もしその規則が合意のもと共同で策定され、中国もそれに関与しているのであれば、中国は順守する。仮に規則が一国か、もしくは特定の複数の国によって決定されたのであれば、中国には順守する義務はない」と語った。

 また中国は、日本、カナダ、メキシコが参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)交渉について「真剣に検討する」との方針を表明。

 昨年のAPECの方針が、中国が関与している貿易協定を含む、アジア太平洋諸国の経済協力強化に向けた道筋を支援するものだったことに言及し、「この会議では、日本が交渉参加を表明し、一部の国がこれを歓迎している。他の一部の国もTPP交渉参加に関心を示している。中国はこの問題について真剣に検討する」と述べた

US, China spar on free trade deal
Mr Pang said China would "earnestly study" whether to join the TPP.
[URL]

China to ‘Earnestly Study’ Trans-Pacific Trade Pact
[URL]

China Official Reiterates Studying Possibility Of Joining TPP Discussions
[URL]

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▼TPP交渉「進展に関心」=胡主席が支持、参加検討か−中国

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[中国]
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