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インド洋上で繰り広げられる中国・パキスタンのインド包囲網。
大国インドが黙って見ているわけがない。
<関連記事引用>
▼中国、インド洋3港と陸路整備 南シナ海代替ルート狙う (画像引用)
2011/8/18 1:06
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【北京=森安健】中国がマラッカ海峡や南シナ海を経由せずに天然資源や製品を中東などとやり取りする輸送ルートの確保を急いでいる。インド洋に面するパキスタン、バングラデシュ、ミャンマーの3つの拠点港まで道路、鉄道、パイプラインを整備し、陸路で結ぶ。海上輸送への依存を下げ、南シナ海などでの有事に備える狙い。代替ルートの整備は沿海部主導だった中国の発展モデルを変える可能性もある。
中国とパキスタンは、中国の新疆ウイグル自治区とパキスタン南部グワダル港を結ぶ鉄道の敷設に向け、地質や標高の調査に入った。石油や天然ガスのパイプラインの建設についても「最高首脳のレベルで協議している」(パキスタンのカーン駐中国大使)という。
グワダル港はペルシャ湾岸産の資源が必ず通過するホルムズ海峡から約500キロの地点にあり、同港から陸送できれば、中国のエネルギー安全保障に寄与する。
ミャンマーとの間では、全長810キロの「中緬鉄道」構想が動き始めた。中国雲南省瑞麗市とミャンマー西部のチャウッピュー港を結ぶ。中国の鉄道建設大手、中国中鉄が建設を請け負うことで5月末、ミャンマーの鉄道当局と基本合意した。
総事業費は700億元(約8450億円)以上で、2016年末の開業を目指す。この区間では石油パイプラインも建設中で、13年に完成する。水深が深く、大型船が寄港しやすいバングラデシュのチッタゴン港からミャンマーに鉄道を敷き、中緬鉄道と接続する計画も動き始めた。
パキスタンなど3カ国も、中国との物流が太くなる経済効果を歓迎している。バングラデシュのハシナ首相は昨年、中緬鉄道との連結に関連し、「ミャンマー経由で中国と結ばれることは、貿易の拡大で極めて重要な役割を果たす」と語った。
中国は海軍力の強化を進めているが、マラッカ海峡は作戦範囲外にある。今年1〜5月の中国のエネルギーの海外依存度は55.2%となり、初めて米国(53.5%)を上回った。「現在6億人の中国の都市人口は近く9億人まで増え、エネルギー問題は格段に深刻になる」(中国の地方経済に詳しいジャーナリスト・作家の莫邦富氏)ため、物流ルートの多様化を急ぐ格好だ。
代替ルートの中国側の玄関口は、新疆や雲南など内陸部。モノの流れが変われば中央アジアに接する新疆、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と接する雲南の発展にプラスとなりそうだ。
海を経由しない物流ルートとしては、中国と欧州を結ぶ鉄道の輸送能力を強化する計画もある。温家宝首相は6月の欧州訪問で「中国は欧州アジア横断鉄道の建設を加速する用意がある」と表明している。
▼中国、陸路開拓狙う―駐中国パキスタン大使、「中国と中東結ぶ動脈に」。
2011/08/18 日本経済新聞 朝刊
代替ルートのうち、完成すれば地政学上、最も影響が大きいのがパキスタンのルートとみられる。ホルムズ海峡に近くて代替能力が高く、大国インドを取り囲む形となるためだ。パキスタンのマスード・カーン駐中国大使=写真=に狙いを聞いた。
――グワダル港の利用は中国にどんな利点があるのか。
「パキスタンは中国と中東や西欧を結ぶ動脈となる。グワダル港はその出入り口だ。中国は港湾の建設に大きく関与したが、それだけでは終わらない。交通、通信インフラも両国で整備する。グワダルからクンジェラブを経て新疆ウイグル自治区のウルムチ、さらに北京、上海につながれば、マラッカ海峡より格段に短いルートになる」
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