「原子力村から足を洗いたい」と電力会社、「今さら抜けるとはどういうことだ」と経団連、恫喝飛び交う「仁義なき戦い 原発死闘篇」勃発か
2011-07-13


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原子力発電のコストが安いなどというふざけた神話もいよいよ崩壊。原子力委員会でも1キロワット時あたり10円程度になるとする試算が報告され、「経済性を理由に原子力発電が推進されてきたが、最も安い電源とはいえない」と植田和弘・京都大学教授。

10円程度とする見方は極めて妥当。原発抱える電力会社の試算もおそらくこんなもの。しかし、その前提すらも今や崩壊。ひとたび東京電力福島第1原発のような事故が起こるとどうなるか。あっという間に会社の存続すら危ぶまれる事態に直面。さらに賠償金、除染費用、そして廃炉費用が重くのしかかる。

他の電力会社にとっても東京電力の現状は決して他人事ではない。新たな安全基準を満たすためのコストや事故に備えた積み立ても当然覚悟。国策として原発を推進してきたあの輝かしい時代が一気に吹き飛び、残ったのは原発抱えるリスクのみ。原子力村から足を洗いたい言い出しても不思議ではない。今後、原子力発電部門の国有化をめぐる駆け引きが政府と電力会社との間で続くことになるだろう。

こうした空気を読んだのか、経団連は原発推進を求める提言を発表。もちろん産業空洞化の脅し付き。この先、電力などエネルギーの安定供給の見通しが立たなければ、企業の製造拠点の海外移転などが進み、空洞化の一層の加速は避けられないと指摘している。

「今さら原子力村から抜けるとはどういうことだ」との政府及び電力会社に対する恫喝のようにも見えてくる。原子力村を舞台に恫喝飛び交う「仁義なき戦い 原発死闘篇」勃発か。その行方に注目を!


<関連記事引用>

原子力委員会、原発の経済性を議論
2011/7/12 13:17
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 内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)は12日、原子力発電の経済性を有識者を交えて議論した。植田和弘・京都大学教授が、補助金や廃棄物処理の費用も含めると、原子力発電のコストは1キロワット時あたり10円程度になるとする大島堅一・立命館大学教授らの試算を報告。2010年版のエネルギー白書などで同5〜6円とされているのは過小評価と語った。火力(7〜8円)や水力(8〜13円)に比べても決して安い電源ではないと指摘した。

 近藤委員長は「大変重要な問題で、今後も議論していきたい」と表明。委員も火力や水力、太陽光なども見落とされているコストを考慮したうえで、改めて比較検討する必要があると応じた。

 植田教授はコスト比較は難しいとしつつも「経済性を理由に原子力発電が推進されてきたが、最も安い電源とはいえない」と話した。


経団連“原発引き続き重要” (画像引用)
7月13日 5時54分
[URL]

東京電力福島第一原子力発電所の事故をきっかけにしたエネルギー政策の議論の高まりを受けて経団連は、電力の安定供給のためには安全の確保を前提に原子力発電の果たす役割は引き続き重要だとする提言をまとめました。

経団連がまとめたエネルギー政策に関する提言によりますと、東日本大震災に伴う電力不足が企業にとって事業コストの上昇要因となっており、企業活動や雇用維持の足かせとなるとしています。

そのうえで、この先、電力などエネルギーの安定供給の見通しが立たなければ、企業の製造拠点の海外移転などが進み、日本経済の空洞化の一層の加速は避けられないと指摘しています。

このため提言では、原子力発電が電力の安定供給のためには「引き続き重要」と位置づけたうえで、安全の確保を前提に国民の理解を得ながら「着実に推進していく必要がある」としています。

さらに提言では、定期検査後も停止したままになっている原子力発電所の運転を速やかに再稼働させるよう求めています。経団連はこの提言を近く経済産業省など政府の関係省庁に提出することにしています。



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