小沢氏民主党代表選出馬待望論に日経&産経&読売が社説でけん制、朝日&毎日は不気味な沈黙
2010-08-20


小沢氏は参院選後、菅首相の続投について明確な態度を示してこなかった。だが、今月12日に発行したメールマガジンでは「民主党は原点に戻り、皆様のご期待に応える」と衆院選マニフェストの実行を訴え、菅内閣での公約見直しの動きを牽制(けんせい)した。一方、政治とカネには言及していない。

 擁立論は、菅首相の続投に批判的な小沢グループを中心に広がっている。首相が小沢色排除の人事を行ったことへの反発が背景にあるという。だが、小沢氏を起用しなかった人事は妥当だろう。むしろ、首相が小沢氏の辞任を「大きなけじめ」ととらえ、改めて政治とカネをめぐる責任を問おうとしなかった姿勢に問題があった。

 小沢氏は資金問題で代表と幹事長をそれぞれ辞任した。議員辞職にも値する責任を負いながら、ポストを辞することで政治生命を保ってきたのが実態ではないか。小沢氏擁立を目指す勢力も、政党の自浄能力に背を向けたまま主導権争いに奔走するなら、厳しい批判を受けるだろう。

 原点に戻ってマニフェストを実行するという小沢氏の主張も抽象的だ。十分な財源の裏付けがないばらまき政策の多用が「国民の生活が第一」というスローガンに結び付いていないことを検証し、抜本的に政策を見直す道筋を示さなければならない。

 小沢氏も出席した19日の鳩山グループ研修会には約160人が集まった。政策論議や政治とカネなどの本質論が語られる場とはならず、多数派形成を誇示することに重きが置かれたのは残念だ。


読売:民主党代表選 「小鳩」の総括と政策論が先だ(8月20日付・読売社説)
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 来月1日の民主党代表選の告示まで2週間を切り、各グループの駆け引きが活発化している。

 19日には鳩山前首相がグループ研修会を開き、党内最大勢力を率いる小沢一郎・前幹事長も出席した。

 小沢氏は、鳩山グループなど党内の幅広い支持が得られることを条件に、出馬を検討しているという。研修会への出席も、そのための布石とみられている。

 一時は政界引退を表明していた鳩山氏も、約150人の国会議員を研修会に集め、党内への影響力を誇示した。

 再選をめざす菅首相、出馬の可能性を探る小沢氏の双方から秋波を送られる状況を利用し、政治的復権を果たすつもりなのだろう。挙党一致を条件に首相続投を支持している鳩山氏は、研修会でも、挙党態勢の構築を求めた。

 しかし、小沢氏も鳩山氏も、代表選をにらんで動く前に、なすべきことがあるのではないか。

 鳩山氏には、米軍普天間飛行場の移設問題の迷走で、日米関係に亀裂を生じさせた重い責任がある。「政治とカネ」をめぐる問題では、両氏とも十分な説明責任を果たしていない。

 「小鳩」政権時代への反省と厳しい総括をしないまま、合従連衡に走る姿が、国民の目にどう映るだろうか。

 特に小沢氏の場合、「政治とカネ」の問題で検察審査会の審議が継続中だ。代表選に出馬するなら、どうけじめをつけるのか、具体的に語る必要があろう。

 一方、菅首相の対応も、問題なしとは言えない。

 先月末の記者会見で、消費税率引き上げを代表選の公約に掲げないとの考えを示したが、参院選で敗北したからといって、財政健全化の旗まで降ろしてよいのか。

 むしろ代表選を機に、消費税問題の党内論議を深めるぐらいの攻めの姿勢が求められよう。

 昨年の衆院選の政権公約(マニフェスト)をどう扱うかも重要な論点である。

 子ども手当の支給や高速道路無料化といったバラマキ政策を続けることが財政的に不可能であることは明らかだ。年末の予算編成を考えれば、政権公約の大胆な見直しは避けて通れない。

 昨年の政権交代で民主党代表選は、かつての自民党総裁選のように首相選びに直結する。


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