荒れるチョークポイント、狙われるホルムズ海峡、脅かされる日本の生命線
2010-08-05


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ホルムズ海峡を航行中の商船三井所有の大型原油タンカー「M・STAR」が爆発とみられるトラブルで損傷した事件。

ついに国際テロ組織アル・カーイダ系の「アブドゥラ・アザム旅団」を名乗る武装組織が「自爆攻撃」を敢行したとの犯行声明を発表。しかし、その真偽は現時点では不明。

ホルムズ海峡は中東の石油を運ぶ海上交通路のチョーク・ポイント。原油の9割を中東からの輸入に依存する日本とってはまさに生命線。

そのホルムズ海峡封鎖という脅しを得意としてきたのがイラン。そのイランに危機が迫っている。

今年6月にカナダ・オンタリオで開催されたG8サミットでイタリアのベルルスコーニ首相が「イスラエルがイランを攻撃するとG8各国首脳みんなが信じている」と発言したことは有名な話。

イスラエルの動きを牽制するかのようにイラン攻撃計画があることをあっさり認めたのがマレン米統合参謀本部議長。

そして、対北朝鮮と並んで対イラン制裁でも鍵を握っているのが中国。原油の11%をイランから輸入する中国が戦略備蓄強化に乗り出しているのも大いに気になる動き。中国とてその日が近いと見ているのか。

今月中にもイスラエルのイラン攻撃があるのではないかとの見方も飛び交う今日この頃。

備えあれば憂いなし。民主党政権の危機管理能力が問われている。


<関連記事引用>

迫る「海上テロ」の脅威…タンカー攻撃犯行声明
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 【ワシントン=黒瀬悦成】国際テロ組織アル・カーイダ系の「アブドゥラ・アザム旅団」を名乗る武装組織が3日、商船三井の原油タンカーに「自爆攻撃」を敢行したとする犯行声明の真偽は現時点では不明だ。

 ただ、この声明自体が、イスラム過激派などによる「海上テロ」が差し迫った脅威であることを改めて印象づけている。民間船舶が自爆攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)である実態に変わりはない。

 米ホワイトハウス高官は4日、「犯行声明は見ていない」とした上で、「調査が続いている」と述べた。

 声明で注目されるのは、「イスラム教徒の土地に侵入し資源を奪い取る、異教徒が構築した世界秩序の弱体化」のため、ホルムズ海峡において攻撃を敢行したとしている点だ。

 そうであれば、この「テロ」宣言は、日本への政治的警告というよりは、むしろ、世界の原油供給の20%を担うペルシャ湾岸からの原油が通過する海上交通の要衝・同海峡の付近でテロを行うことによって原油市場を不安定化させ、世界経済を揺るがすのが狙いである公算が大きい。

 アル・カーイダは過去、ペルシャ湾一帯での海上テロを予告。イエメンでは、2000年に寄港中の米イージス駆逐艦が、02年にはフランス船籍のタンカーが小型艇による自爆攻撃を受けた。

 東南アジアではアル・カーイダ系のイスラム過激派「アブ・サヤフ」が04年、マニラ湾で豪華客船を爆沈させた。一連の事件は、米軍などの艦艇が海上テロへの警戒を強めたのに伴い、テロ組織が攻撃を仕掛けやすい「ソフト・ターゲット」の商業船舶に標的を移したことを示すものだった。

 インド洋と太平洋を結ぶシーレーンの要衝・マラッカ海峡も、ホルムズ海峡と同様、常にテロの脅威が指摘され、今年3月も、テロ組織が石油タンカーを狙った攻撃を計画している兆候があるとして、インドネシアとシンガポール、マレーシアが警戒を強化する騒ぎがあったばかりだ。

 中東の原油に依存する日本や中国などにとって、シーレーンの安全確保は死活問題で、各国はその再点検を迫られそうだ。


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