麻生政権の「核の傘」堅持工作を評価したい
2009-11-24


米側関係者によると、同委員会のペリー委員長(元国防長官)らは2月末、米政府への提言策定のため、在米日本大使館から意見聴取。大使館幹部らは日本の見解を記した3ページのメモを提出した上で、(1)低爆発力の貫通型核が核の傘の信頼性を高める(2)潜水艦発射の核トマホークの退役は事前に協議してほしい(3)核戦力や核作戦計画の詳細を知りたい―と発言した。(共同)


米議会てこに影響力行使 核のタカ派、日本を逆利用 '09/11/23
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 鳩山政権発足前に、政府が米議会の「戦略態勢委員会」に行っていた外交工作の実態が判明した。米国が保有していない低爆発力の小型貫通核の有用性などを訴え、同委員会への働き掛けをてこにオバマ政権に影響力を行使しようとの狙いが透けて見える。

 だがこんな日本の工作活動に対し、米専門家からは「冷戦型の思考様式だ」との批判も。「核なき世界」に抵抗する米国内の「核のタカ派」が被爆国政府の主張を逆利用する動きもあり、鳩山政権は核兵器への依存度を下げる抑止力構築など政権交代後の「非核」の道筋を示す必要がある。

 同委員会の副委員長、シュレジンジャー元国防長官は、日本からの意見聴取を受け、潜水艦発射の核巡航ミサイル「トマホーク」の退役に異論を挟む結論をまとめたと言明。「海洋国日本の防衛にかかわる海上の(核)能力撤去には注意を要する」と述べ、日本の働き掛けが委員会の判断を左右したことを明かした。

 しかし、日本政府が重視する核トマホークの軍事的有効性をめぐっては米国内で議論がある。

 核専門家のジェフリー・ルイス氏によると、20年以上前に配備され、標的を仕留める精密誘導機能が不十分な核トマホークは使い勝手が悪く、米海軍は2013年までの完全退役を要望。同氏は太平洋から発射した核トマホークが「同盟国の日韓両国に墜落する恐れがある」と指摘し、日本政府に警鐘を鳴らす。

 核トマホークは冷戦終結後、実戦配備されておらず、有事に備え米国内の基地に貯蔵されている。

 シンクタンク「全米科学者連盟」のハンス・クリステンセン氏は、「傘」堅持のために多様な軍事的機能を米核戦力に求める日本政府を「(核戦略上の)意味も理解せずに冷戦時代の修辞にしがみついている」と非難。

 「核のタカ派」として知られるシュレジンジャー氏ら「核なき世界」に反対する“抵抗勢力”が、政権交代前の日本政府の立場を悪用する形で、強大な核戦力の温存を狙っていると分析している。(共同=太田昌克)


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