樹の上で「フィンランド・森の精霊と旅をする」を読む
2009-07-17


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作者は女性写真家のリトヴァ・コヴァライネンとサンニ・セッポ。

さまざまなメディアが森の重要性を強調していたが、どれも経済的効果やエコロジカルな視点ばかり。
森の文化的、精神的側面はその議論からいつも抜け落ちていた。

ここに問題を感じた2人は、森の本当の意味を知るために旅に出ます。
そして、できあがったのが「フィンランド・森の精霊と旅をする」という一冊。

あとがきには聖なる森の破壊の歴史が綴られています。

フィンランドにおける破壊は、1229年、キリスト教によって始められたこと。
ローマ法皇グレゴリー9世が、フィンランド土着の信仰の場であった森や聖地の所有権をキリスト教会に認めたことから、木々は次々と切り倒されていった。

この結果、いつしか「聖なる森」を意味する「hiisi(ヒーシ)という語は、「悪魔」や「死者の国」を意味する呪わしい言葉へと変わっていく。

それでも木への信仰は人びとの心の中でひっそりと受け継がれてきた。

旅の途中で出会った老夫婦はそれぞれ自分自身の木を持っていると語る。
何かあるとその木を訪れ、自分の夢を語り、悲しみを告白してきた。
そして、こう書かれています。

 いまでも、たくさんの「守護の木」が残っています。
 遠く、遥か遠くから木霊(こだま)が響いているのです。

ここ最近の日本人なんて右翼と云ふも可、左翼と云ふも可なり。
樹に留まるのが大好きなカラスからすれば、左右に揺れる根無し草のように見えているのかも。


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フィンランド・森の精霊と旅をする Tree People
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▼この本が原点となって製作されたドキュメンタリー番組のDVD

NHKスペシャル 世界里山紀行シリーズ
『フィンランド 森・妖精との対話』
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<関連サイト>

Ritva Kovalainen & Sanni Seppo
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THREE TREES Ritva Kovalainen, Sanni Seppo and Reiko Nireki
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楡木令子の世界Reiko Nireki's World
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写真集:「フィンランド・森の精霊と旅をする」出版
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