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まずは昨日から今日の動き。
9月29日夜、三菱UFJフィナンシャル・グループはモルガン・スタンレーに21%出資することで最終合意したと発表。取得総額は90億ドル(約9500億円)。
金融危機は欧州に飛び火。英住宅金融ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)やベルギー・オランダ系金融大手のフォルティスが相次いで国有化。
注目の最大7000億ドル(約75兆円)の不良資産を公的資金で買い取る金融安定化法案は、な、な、なんと米下院は否決!
共和党議員の大半が反対、民主党議員でも100人近くが反対票を投じ、反対228票・賛成205票。
この結果を受け、9月29日のダウ工業株30種平均が前週末比前週末比777・68ドル安。史上最大の下落幅を記録。
日銀の白川方明総裁は29日夜の緊急会見で、現在のドル市場について「流動性がほぼ枯渇した状況」と指摘、「市場の緊張はなおしばらく続く」と強い危機感を表明。
そして、30日の東京株式市場の日経平均は大幅続落で始まっています。
9月29日、破綻寸前のワコビアの銀行業務部門をシティグループが買収しましたが、これは取り付け騒ぎを恐れた米政府の仲介によるものと見られています。
10月1日より陸軍が米国内に待機して治安維持活動のようなことを始めるとの情報もあり。おそらく取り付け騒ぎに備えた動きと私は見ています。詳しくはこちらで
[URL]
そうなると、金融安定化法案否決を含めた現在の事態をあらかじめ予測していた人たちが存在するということです。ここに注目!
なお本ブログの予測どおりシティグループに関する次の見方が浮上してきました。
「シティグループが金融安定化法案の適用第1号になる可能性もある」(毎日)
「米メディアによると、シティは政府がまとめた金融安定化策を活用する方針といい、不良資産買い取りの第1号になる可能性がある。」(読売)
シティが第1号だと不公平感が生まれるので、日付をさかのぼっての適用を考えるかもしれませんね。
こうした中にあって、このブログはあくまでもマイペース。
日本でもこれから注目を集めそうなケネス・ロゴフ(Kenneth Rogoff)。
この人を少し突っ込んでみたいと思います。
ロゴフは国際通貨基金(IMF)の経済担当顧問兼調査局長を務めていました。
IMF就任期間は2001年8月から2003年9月まで。
この間に大いに注目を集める論争を挑みます。
その相手とはジョセフ・スティグリッツ。
スティグリッツは1943年生まれでロゴフは1953年生まれ。
ちょうど10歳離れています。
2002年7月2日。
なんとIMFホームページ上に、前年のノーベル経済学賞受賞者であるスティグリッツを痛烈に批判する異例の公開書簡を掲載します。
「親愛なるジョーへ」という書き出しで始まる書簡は、日本でも話題になったスティグリッツのGlobalization and Its Discontents(邦題:世界を不幸にしたグローバリズムの正体)の中で、アジア経済危機へのIMFの対応は失敗だったと書いていることに真っ向反論。
「IMFが行くところトラブルだらけと書いているけどさ、それって伝染病がある所で、多くの医者を見かけるのと同じじゃないの」などと皮肉りながら、IMFに責任を押しつけるのは間違いだと指摘。
最後には「あなたは傑出した天才。ノーベル賞受賞者のジョン・ナッシュのようにきれいな心を持っている。でもさ、政策立案者としては、影薄いよね。」とチクリ。
このロゴフの頭の中に日本の金融危機データも詳細にインプットされていると書いたのは、日本に対して事細かにチクチク介入していたのがIMFのロゴフだったからです。
例えばこんな感じですね。
<01年12月>
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