ビビる大捜査線 ホルムズ海峡を封鎖せよ!(2)
2008-08-05


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少し気になったので国会会議録検索システムを使って、ホルムズ海峡を調べてみました。シンプルに「ホルムズ海峡」で検索した結果が上です。

合計16件がヒットしたのですが、その詳細を見ていくとイランとの問題で言及しているのは平成19年4月25日に行われた参議院での「国際問題に関する調査会」のみ。

しかも発言者は参考人として招かれていた財団法人日本総合研究所会長兼株式会社三井物産戦略研究所所長の寺島実郎氏です。

つまり政治家さんたちはホルムズ海峡封鎖という最悪の事態をまったく議論していない。むしろ意識もしていないと判断するしかないですね。

寺島氏は慎重に言葉を選びながら「アメリカと利害を共有して中東問題にかかわるという選択肢を取るのか、アメリカともある種の適切な距離感を取りながら日本独自のスタンスで中東というものとかかわるのかというのを『世界』は注目しているだろう」と発言しています。

米国はことあるごとに「誰のために中東なりホルムズ海峡なりマラッカ海峡を守ってやっていると思っているのだ」と日本に迫ってきました。この現実も確かに直視する必要があります。

それでも、『世界』の中でもとりわけサウジアラビアやイランは極めて戦略的に日本と向き合ってきました。イラク戦争や現在のイラン問題から、おそらく両国は「日本は米国依存から脱却できない。脱却するつもりもない。」との認識を強めているのではないかと。もうすでに役立たずとの評価を下されているのかもしれません。これまでの両国との良好な関係さえ危ぶまれる事態につながる可能性すらあります。

三井関係者の間ではタブーとなっているIJPCの挫折にまで踏み込んだ寺島発言を下に引用しておきます。

<参議院 国際問題に関する調査会 3号 平成19年04月25日>

○参考人(寺島実郎君) 私、このイラン問題には大変深く、人生を左右されるぐらいかかわってきていまして、七九年のいわゆるイラン革命、ホメイニ革命が起こった後、私が長いことかかわってきた三井グループがイランで巨大な石油化学のプロジェクトを展開していて、これはもうカントリーリスクの典型的なプロジェクトとして、ハーバード・ビジネススクールでも革命と戦争に襲われたのろわれたようなプロジェクトというケーススタディーになっているわけですけれども、その関連でもってずっとイラン問題、ウオッチしてきていますけれども、一言で言うとこういうことだと思うんですね。
 アメリカの中東における最も大切な同盟国であるサウジアラビアとイスラエルにとっても、アメリカが今イラクでやっていることというのは、ぎょっとなるような、腰が引けるような展開になってきたわけですね。
 どういう意味かというと、アメリカが何とシーア派のイラクをつくろうとしているというか、サウジアラビアにしてみれば、イラン・イラク戦争のときにサダム・フセインを後ろから応援してまで向き合っていたイランが、つまりシーア派主導のイランが、限りなく影響力を高めていくイラクを何とアメリカがつくろうとしているというパラドックスに映るといいますか、したがって、今、アメリカとサウジアラビアの関係、もう非常に複雑になってきています。
 二十二年間ワシントンでサウジアラビアの大使をしていたバンダラ王子というのが約十六、七か月前にアメリカから戻ったんですけれども、二十二年ぶりに。新たに赴任した大使がわずか十五か月で帰任するなんというようなことが起こって、つまりサウジにしてみれば、ペルシャ湾の北側に巨大なシーア派のゾーンをつくろうとしているアメリカみたいに見えると。

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