米ウィスコンシン州の労組デモが全米に波及、「ティー・パーティー vs ムーブオン」にも注目を!
2011-03-01


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[FT]全米各地に広がる公務員労組と政府の戦い
2011/3/1 0:13
(2011年2月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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 米国の州や市の財政が次第に逼迫(ひっぱく)する中、公的部門の労働組合との摩擦が避けられないことは何カ月も前から明白になっていた。それでも、組合に対する攻撃の威力と組合の抵抗力は、やはり衝撃的だった。唖然(あぜん)とした国は、どちらの味方につくべきか迷っている。利害が誤って伝えられていることも、何の助けにもならない。

■口火を切ったウィスコンシン州

 対立はウィスコンシン州で始まった。共和党のスコット・ウォーカー州知事が提案した集団交渉権を制限する法案に反対し、何万人もの人が抗議行動を行った。どちらの側も降伏するつもりはないようだ。

 今、争いは各地に広がっている。オハイオ州とインディアナ州でも、共和党の州知事と州議会が公務員組合を攻撃し始めた。民主党の州知事や州議会を擁する州でさえ、給与と諸手当について組合に大きな譲歩を求めている。米国の組織労働者にとって正念場が訪れた。

 民間部門では、組合員は労働者の7%にとどまり、1960年代の30%から大幅に低下してきた。しかし、州政府および地方自治体では組織率が平均39%に上っており、平均を大幅に上回る州もある。例えばニューヨーク州では組織率が73%に達している。

 公的部門の組合主義が根強い一因は市場原理にある。米国では、民間企業は現れてはすぐ消えるため、組合の組織化が難しい。これに対して公的部門の雇用は大抵、存続する。ひとたび労働者が組合に加わったら、引退するまで組合にいるわけだ。

■組合弱体化は州財政改善のため

 だが、州の政策も組織化に役立った。一部の州は、「ユニオンショップ」(職員は組合に加入しなければならない)や「エージェンシーショップ」(組合に加入しないという選択肢もあるが、その場合も組合費は払わなければならない)を法的に承認しているからだ。

 こうした権利を攻撃している共和党の知事や議員は、州財政を均衡させるために組合の力を弱めなければならないと言う。一方、組合側は、職員の給与は常識の範囲を超えてはおらず、これまでも譲歩してきたと主張する。

 組合の言い分は部分的には正しい。実際、ウィスコンシン州の組合は給与と諸手当のカットを受け入れた。州都マディソンで繰り広げられている戦いは、足元の予算のコスト削減を巡るものではないのだ。

 組合の力が長期的に給与水準をゆがめるかどうかは、また別の問題で、解決がもっと難しい。各種調査は両方向を指している。

■多くの年金制度は積み立て不足

 州政府および地方自治体の労働者は民間より高い賃金を受け取っているが、教育を受けた年数が長いことを考慮すると、賃金は安いように見える。一方で、公務員の諸手当は民間より格段にいい。民間部門では概(おおむ)ね消え去った手厚い確定給付型年金が標準的だし、労働時間も短い。そうすると、教育水準で調整した後の報酬総額で公務員が勝つと言う人もいれば、単に差を縮めるにすぎないと言う人もいる。

 この議論は、まだ決着がつかない。話はこうした年金の価値に向かうからだ。多くの年金制度は積み立て不足に陥っている。一部の試算では、積み立て不足は数兆ドルにも上っている。

 そして、州の年金は破綻時にも保護される。何が起きようと、納税者が全額支払うことになっているのだ。もしこの約束が守られたら、納税者はたたきのめされる。逆に州が約束をほごにしたり、積み立て不足が懸念されているほど多くなかったりしたら、納税者が大打撃を受けることはない。


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